岡崎と言えばオカザえもん。もとい。徳川家康。
しかし神兎研としては、岡崎城へは向かわず、JR岡崎駅の南の方の住宅地へと向かいます。
細い坂道の途中に秋葉神社が坐していました。
うーん。この地元密着な感じ。
右側が境内になっており、左側は公園。過去の写真(2010年頃「そこらへんの神社!」さんより)を見ていると、もう少し木々に囲まれていたようでしたが、神社奥の再開発に合わせてスッキリさせたようです。ちょっと残念かも。
子供だったら神社の境内で游ぶのって楽しいですよね。缶蹴りとかドロジ(栃木では「ドロジ」って言ってたが、東京だと「ドロケイ」かな?)とか。
で、奥まで進みましょう。
小さい社があります。
屋根は豪華で大きく、地震が来たらバランス悪いかな?ということで、ちゃんと耐震補強も入っております。
社の正面、虹梁の上に・・・
波兎が一柱彫刻されています。
・・・泳いでいるかのような・・・犬かき ではなく 兎かき な感じですかね・・・
ちなみに干支として描かれていない場合、右向きになっている意匠は少なめです。
波兎の後ろ側はこんな感じ。美しい渦の波濤が描かれています。
さて通常、秋葉神社というと、火の神である火之迦具土神(ヒノカグツチノカミ)を祀っています。総本宮は静岡は天竜の山奥にある古社。以前詣でた時には、神兎を見つけることはできませんでした。
現在、こちらの境内には由緒書きがありませんでしたが、かつてはあったようです。引用します(ブログ「ひねもすのたり宮」さんより)。
秋葉神社の由来と略縁起について
御祭神は火之迦具土大神と申し上げ,伊弉諾,伊弉冉(※注:原文は再)2柱の神の御子で火の主宰神である。火の光は時間的空間的には人間活動の範囲を拡め,その熱は人間に冬の寒さを克服させ,食生活を豊にし,そのエネルギーは工業,科学の源となると共に,その威力は総ての罪穢を払い去るのである。光と熱と強いエネルギーを与えられたこの神は文化化学の生みの親として畏敬され崇められて来たのである。
ご神徳は火の幸を恵み悪火を鎮め諸厄諸病を祓い除く火防開運の神として火災消除,家内安全,厄除開運,商売繁盛,工業発展の御霊験あらたかなるものとして全国津々浦々から信仰されている。
御霊験は奈良朝以来屡々顕はれ,御神域は海外に行きわたり朝廷の御信仰篤く正一位秋葉神社と申し上げ,秋葉神社の総本宮は静岡県天竜川の上流標高約千米の秋葉山の山頂に祀られ,その社号は昭和20年7月に秋葉山本宮秋葉神社に改称され現在に至っております。
当神社の造営年月は定かでないが昭和51年3月に春日神社の飛境内の祭祀[判読不可]されております。
造営[判読不可](宮大工)は柱町 鶴田丈吉氏
昭和23年に杉皮を瓦に葺き替え
祭礼は10月の第2日曜日
神[判読不可]の左右の樹(くろがねもち)は平成天皇御即位の記念樹です。平成4年6月 若松栄氏子総代
なにか・・・とても・・・“エネルギー”を感じる由緒書きですね。
やはり火之迦具土神を祀っているようで、防火すなわち「火伏せ」を強調しています。波兎も蔵などに火伏せの意味で描かれることがありますので(懸魚や、龍や波瓦なども同様だと言われます)、その辺りを狙った意匠でしょうか。
この地域、火之迦具土神と共に神兎が火難から守ってくれることと思います。
名称 | 秋葉神社 | 住所 | 愛知県岡崎市若松町宮前 |
(参拝:2014年3月8日)